鉄材のリサイクルについて

自動車は精密部品の集合体であるのと同時に、巨大な鉄材の塊でもあります。自動車が生産されてから、その役割を終えてスクラップとなるとき、リサイクル可能な部品と不可能な部品に選別されるのですが、そのうち鉄材を原料とするものの多くが、回収後、炉で溶かされ、あらたな鉄材へと生まれ変わっているのです。

鉄は有史以来、多くの文明に利用されてきましたが、これは鉄の持つ性質のうち「比較的容易に加工することができ、廃棄された後も、やはり比較的容易にリサイクルができる」という利点にあると考えられます。
実は日本国内で生産される鉄鋼のうち、原料の4割弱は鉄スクラップ、すなわちリサイクル原料であるという調査結果があります。いかに多くの鉄材がリサイクルされているか同時に、投入されるコストが低レベルですむという、経済性の高さを如実に反映している結果とも言えるでしょう。

廃車

鉄スクラップは製鉄・製鋼における主要な材料であり、鉄鉱石と石炭由来燃料のコークスを用いた一般的高炉製鉄の一部で使用されるほか、特に電気炉製鉄において主要な役割を担っています。電炉はその名のとおり、電位差のある電極を用いて発生させるアーク放電の高熱を利用するもので、先の高炉に比べ消費電力や二酸化炭素排出量において優れており、環境負荷のすくない製鉄法です。

近年、環境問題が叫ばれるようになって、リサイクルやエコロジーといった観点を抜きに、企業が商品開発を行うことは難しくなってきました。鉄材のリサイクル性能の高さは折り紙つきであり、自動車部品の多くも鉄材としてリサイクルされています。しかし一方で、リサイクルとは別の視点から推進されている環境負荷低減の動きが、この鉄材としての循環を妨げているという指摘があります。例えばエコカーの代表となるハイブリットカーを筆頭に、昨今どの自動車メーカーも自社開発時において燃費性能の向上追及に余念がありません。有限である資源の利用を効率化するという意味から、また、ユーザーサイドのランニングコストが低減されるという点からも、この分野の進歩は非常に望ましいことには違いないのですが、ここでは車体の軽量化、あるいは駆動系部品の小型化に焦点が当てられます。実は鋼鉄をそのまま鋼鉄として使用するよりも、炭素繊維などとの混合物として使用したほうが、同じ耐久性でも軽量化できるという技術が開発され、実際に導入されています。

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また、モーターの小型化などにはレアアースの存在が欠かせなくなってきています。つまり製造コストが上がったとしても、燃費性能が向上することで、ユーザーのランニングコストが抑えられることから、トータルの費用対効果に優れている点、さらに環境性能において優位に立っているとされる点が、これらの動きを後押ししているとも言えるでしょう。しかし残念ながら、こうした軽量化にまつわる革新技術の多くは、自動車部品における鉄材リサイクルという観点が欠落しています。

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混合物となった鉄材は容易にリサイクルすることができなくなるばかりか、炉の消耗を早まる原因ともなります。レアアースが内在する部品の選別もまた、決して容易なことではありません。石油から生まれたプラスチック製品を、再度石油に戻すためには、その工程で生まれる石油よりも大きなエネルギーが必要となるように、そもそもリサイクルという概念自体、その瞬間の行為だけみれば非常に大きなエネルギーを必要とするシステムで、環境負荷も決して少なくないのです。ユーザーもメーカーも、その瞬間の経済性や環境性能ばかりにとらわれることなく、包括的な視点でリサイクルシステムを見直す必要があるでしょう。